人権学習と関連させた単元型学習6

公開日: 2019年1月24日木曜日


これまで、「二わのことり」では、「やまがらの方に行く方が大事」だと思った理由について話し合ってきました。その続きです。



Hさんが次のように話し出します。「私は、みんなと違って、明るいところでも、暗くて寂しいところでも関係ないと思う」この発言を聞き、何人かの子どもたちは「あー」と言いますが、Iさんが「どういう意味ですか?」と尋ねます。私も、Iさんと同じで、Hさんはどのような考えからこの発言をしたのだろうと思いました。そこで、もう一度Hさんに発言を促すと「明るいところでも、寂しいところでも、あの、どっちもきれいだったら迷って、どっちでもいいと思った」と言います。すると、Iさんが「分かった」と言ったので、どういうことかを聞きました。「明るいうぐいすの家でも、さみしいやまがらさんの家でも、うぐいすの家は、いっぱいいるけど、人が。けど、やまがらさんの家は、一人でさみしそうだから、行ったんじゃないかな」と言ったので、Hさんに「そう?」と聞くと「ううん」と首を振ります。どうやら、Hさんの考えは違うようです…。

そして、またHさんは「暗くて寂しいところでも、どっちも関係ないと思う」と言います。ここで、Eさんが「分かった」と言うので、発言を促しますが「きれいなところとか、明るいところでも…忘れた…」とうまく表現できません。Iさんは「何で関係ないのかが分かんない」とつぶやきます。子どもたちは、Hさんの考えを何とか理解しようと思って聞きますが、まだよく分かりません。そこで、もう一度Hさんに発言を促しました。Hさんは「明るいところ、寂しいところ、あの、明るいところがもし暗かったら、明るいところでも寂しいところでも関係ない」と発言したので、私自身は、明るさのことを言っているのかと思い、「明るさ?」と問い返しました。すると「いや、明るさというか、どっちがきれいでも、それは、後の鳥たちが、みそさざい以外の鳥たちが、明るさとかきれいさとかで考えていたけど、みそさざいさんは、気持ちを考えていた」と説明します。ようやくHさんの考えが分かった瞬間でした。周りの子どもたちも「あー」と深く納得した様子。Hさんは、ずっとみそさざいと他の鳥たちが大事にしていること(「気持ち」と「明るさ」)が違うと言いたかったのです。
やはり、子どもの考えを、みんなが納得するまで聴こうとすることは大切なことだなと改めて感じました。「Hさんが考えていることは何だろう」と、とことん聴くことで「なるほど、分かった!」とブレイクスルーの瞬間がおとずれたのです。まさに、「対話的な学び」から「深い学び」へとつながっていく姿でした。みそさざいと他の鳥の考え方を「比べる」ことで、みそさざいのやまがらに対する心情に迫ることができるのだと、私自身も大きな学びとなりました。
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