人権学習と関連させた単元型学習3

公開日: 2019年1月17日木曜日

「ぼくのはなさいたけど」の内容は、主人公のこぐまのトトが、お母さんに誕生日プレゼントをするため、花を育てます。毎日世話をして花をたくさん咲かせますが、なぜか花が減っていきます。それは、モグラのモイラが、お母さんが病気のために元気付けようと摘んでいたからでした。そのことを知ったトトは、花をモイラにあげます。最後に、花が2本残りますが、1本は自分のお母さんのプレゼントのため、そして残りの1本はモイラのために残しておきます。1本の花をプレゼントされたお母さんは、トトに事情を聞き、とても喜んだという話です。

 子どもたちを前に集め、教材を紙芝居にして読み聞かせを行い、感想を聞きました。その中で、Aさんが「トトが花を取られて怒ったけど、ちゃんとモグラに花をあげたから優しいと思った」と発言します。ここで、もう一度トトがお母さんにプレゼントをするために花を育てていたという状況を押さえ、「花を取られたことが分かった時は怒っていたの?」と問い返しました。すると、「怒った」「悲しい」「悲しいけど、モグラのお母さんのことが心配で…」とつぶやき出します。そこで、「モイラが花を取ったことが分かった時、トトはどんなことを考えていたのかな」と問いました。
 自分の席に戻って考えるように促すと、子どもたちは、「実際にやってみていいですか?」と次々に聞いてきます。
 私の授業では、発問について考えていく際、ペアやグループで話し合うだけではなく、自分たちで役割演技やインタビューをしながら問題解決をしてもいいように伝えています。そうすることで、教師から指示をされて行う役割演技とは違い、自分たちで解決方法を選んで取り組むため、子どもたちは役割演技をするときもふざけたり、恥ずかしがったりすることなく真剣に行っています。
 自分たちで解決の見通しを持ち、解決方法まで考え、実際に行ってみることで主体的な学びを生み出すことができると考えます。また、体験を通して友達とかかわることで、対話的な学びも生じると考えます。

 全体の場において、まずはグループで話し合ったBさんが「お花を取られたけど、ちゃんと理由があるならいいかな」と発言します。
その後、インタビューをしたグループが前でやり取りを行いました。(イ:インタビュアー)
Cさん(イ):なぜ、お花をあげたんですか?
トト役    :モグラさんに優しくするためです。
Dさん(イ):何で最初は怒ったんですか?
トト役    :自分でお花を育てからです。
Eさん(イ):どうしてそのあと、お花をあげたんですか?
トト役    :モグラのお母さんが病気だからです。

 このインタビューを聞いた周りの子どもたちは、「怒った気持ちが分かる」とつぶやきます。ここで、自分が花を大切に育ててきた思いと、モイラに対する思いで揺れ動いていることを確認し、「なぜ、そんなに大切にしていた花を最後に1本残したのかな」と問いました。 
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