今の自分を見つめる

公開日: 2018年6月2日土曜日


 道徳の導入では、「ねらい(価値)への導入」「教材への導入」など、子どもが考えたいと思うような工夫をされていることだと思います。私は、ねらいへの導入を少し工夫し「今の自分を見つめる導入」を大切にしています。
例えば、先日行いました「あいさつ」についての学習です。子どもの多くは、毎日朝から笑顔で元気なあいさつをしてくれます。やはり、笑顔であいさつをしてくれると元気が出るものです。しかし、恥ずかしさから、なかなか相手の目を見て大きな声であいさつをすることができない子どもや、こちらからあいさつをすれば返すという子どももいます。そこで、あいさつをすることの気持ちよさを実感し、自分から進んであいさつをするしようとする意欲を高めてほしいと思い授業を行いました。
 まず、導入では、これまで自分があいさつをできていたかどうかを見つめるために、「あいさつができているかな」と問いかけ、「よくできている」「まあまあできている」「あまりできていない」の所にネーププレートを置かせました。子どもたちの様子をよく見ていると、ダッシュで「よくできている」に置く子どもや、「う〜ん、どっちかな〜」と言い迷いながら置く子どももいました。このことから、今の自分をじっくりと見つめることができているか分からない子どもがいることが分かります。
 そこで、ただネームプレートを置かせるだけではなく、なぜその場所に置いたのかを聞いていきます。私が特に大事にしているのは、「まあまあできている」「あまりできていない」を置いた子どもの、「できない」本音を引き出し教師が共感するとともに、全体に返すことです。
 「まあまあできている」を置いた子どもに、「どうしてまあまあなの?」と聞くと、「だってね、あいさつを言うときもあるけど、言わないときがあるから」と答えました。そして「確かにあいさつを言わないときがあるよね。みんなは、あいさつを言わないときがある?」と全体に問い返すと「あー、あるー」という声が返ってきました。こうすることで「よくできている」と思っている子どもに、「自分もそんなことがあったな」と見つめ直させることができます。
 このあいさつの学習と話は逸れますが、時間を守ることについての学習で、同じように「時間を守ることができている」「まあまあできている」「できていない」のところにネームプレートを置かせました。そして、「まあまあできている」の子どもにその理由を聞くと「チャイムがなってから慌てて教室に戻って、間に合わないときがある」と答えました。すると、「先生!やっぱり変えていいですか!」と「できている」に置いていた子どもがネームプレートの場所を変えると言い出したのです。友達の発言を聞いて、自分はできていなかったと見つめ直していることに感心しました。
 自分の立ち位置を明確にすることで、よりよい自分になるためにこれから何を考えていくとよいのか、学びの道筋を子ども自身が描くことができると考えます。また、授業を通してこれまでの自分の考えがどのように変わったのか、自分の変容を自覚することもできると考えます。
 昨年、6年生を担任していた時には、マトリックスを用いて行なっていました。その方法については、また今度お伝えします。

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