行動はおかしいけど、心は優しいって?

公開日: 2017年1月27日金曜日

「父の言葉」の授業記録です。

T :(一読後)だれか,感想や疑問に思ったこと,考えたいことを教えてください。
C1:黒柳さんが,松葉杖をついていないけど,その女の子はついていたからかわいそうと思って,それが優しいと思った。
T :みんなはどう思う?
:優しい。
T :優しいなと思う人?そうじゃないんじゃないかなと思う人?(半々)じゃあ,何で,黒柳さんは隠れたのかな。
C2 :同じ病気にかかったのに,自分だけ同じリハビリとか,同じ治療とか受けてきたのに,自分だけが治って気まずくなった。
C3 :徹子さんが,えっと,自分だけ特別なのが,特別みたいなのが嫌だから。
T :C3くんが言いたいことが分かる人?
C4 :あの,自分だけ,同じ状況なのに,同じ状況だったけど,自分だけ治ってしまって,それが嫌だった。
C5 :似てるんですけど,何か,話したりして,あの,向き合ったら自分が治ったみたいになって,余計に傷つけてしまうかなって思って隠れたから,優しいと思った。
C6 :何か,同じ部屋に二人いたわけだから,普通部屋が違ったら,そんなに関係も,あんまり分かんないし,気まずくもそんなにないじゃないですか。だから,何か,その部屋にいたから,距離も縮まっているから,相手も徹子さんのことを知っているわけだし,徹子さんも,赤い松葉杖をついている子を知っているから,なぜ,徹子さんだけが松葉杖をつかなくなったのとか,それを見た人は不思議に思うから,そういうのを見せたくない。
T :C6くんが言ったこと分かった?もう一回言ってみて。
C6 :まとめていうと,関係がけっこうあるから,何で徹子さんだけは松葉杖をついていないのか,何で私だけがついているのかというのがストレスになる。不思議に思う。
T :じゃあ,やっぱりこういうふうに隠れたことは優しいなと思う?
C6 行動はおかしいと思うけど,心は優しい。

「私(徹子さん)」が隠れたことに対して,「相手のことを傷つけてしまうと思って隠れたのだから優しい」と発言が続きました。しかし,C6児の「行動はおかしいと思うけど,心は優しい」という発言に,周りからも「どうして?」という声が上がります。そこで,C6児の考えに立ち止まりました。

:行動はおかしいってどういうこと?
C6 :行動は最終的には,お父さんが言ったように,それだったら話した方がいい。相手も一回見たんだから不思議に思うじゃないですか。そのまま二人が離れたままだと,相手にとっても心に思いに残るし,関係をもうちょっと何か,話した方が,そうだったんだねとか関係が縮まっていくから思いも変わる。だから,もし,行動は出た方がよかったけど,心は優しいと思う。
:今,あなたはお父さんの立場に立って考えているんだね。行ってお話しすることで?
C6 :相手とも距離が近づくし,その人ともしゃべれたんだから,何で私はついているのって,多分,少しは恨みっていうのが,見たら少しだけわく感じがするから,距離を縮めた方が友達になれるかな。
T :今,黒柳徹子さんは優しいと言ったけど行動がちょっとって言っていましたよね。お父さんの視点で考えてみると,距離が近づくんじゃないかということでしたが,みんなはお父さんの「行ってお話ししなさい」とはどういうことだと思いますか。隣と話し合ってみて。
  (ペアの後,全体で話し合う)
C7 :女の子と仲よくなって,病気のことを分かち合って,それで「行ってお話ししなさい」と言ったんだと思います。
C8 :私も話をした方がいいと思うんですけど,ずっと隠れていると,その女の子が「私はかわいそうな子だと思われているんだ」みたいな感じになって,避けられているみたいに思ってしまうから,その子もその子でかわいそうだから,そう思われる自分がかわいそうだと思ってしまうから,普通にお話しして,ちゃんとわかり合った方がいい。
T :今C8さんが言ったこと分かった?
C9 :ずっと避けられていたら,かわいそうだから避けられているみたいな,黒柳さんは治ったけど,女の子は治っていないからかわいそうだから話さないということを女の子が思うと,それが逆にストレスというか嫌になって,逆に,話した方が自分のことを思ってるんだなって。
C10 :もし自分が松葉杖の女の子だったら,徹子さんから自分は無視されていると思いこんじゃって,そっちのほうが,もし私がそうだったら嫌だし,C8さんが言ったことも,自分がもし大けがをして歩けなくなったときに,みんなから差別みたいなことをされたら,そっちの方が嫌だし,普通に話をしてくれた方が,自分も気が軽くなって楽しくなるから,徹子さんの方は,もし自分がやられたら嫌な気分になる。
C11 :お父さんが言った言葉の意味なんですけど,徹子さんはその松葉杖をしている子を思ってという意見が出ているけど,みんながいっているように,逆に松葉杖をついている子を傷つけている感じだから,いっそ,赤い松葉杖の女の子を避けるより,一緒に話して仲よくなった方がいいんじゃないかと思ってお父さんは言ったんじゃないかなって思いました。

C6児の発言に立ち止まったことで,父親の視点からこの状況においてどうすることがよいことなのかを考えていくことができました。その中で,「自分がもし~」と自分と重ねて発言する姿も見られ,学びが自分事となっていることを感じました。
「相手の視点に立つ」という見方が,次の時間に子どもたちから出てきますが・・・
次回ご紹介します。
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