「星野君の二るい打」(C規則の尊重,A善悪の判断,自律,自由と責任)
公開日: 2023年11月21日火曜日
久しぶりの投稿です。
今回は研究授業で行う『星野君の二るい打』(廣済堂あかつき 6年)の
【授業構想】と【第1時】の様子をお伝えします。
まず【授業構想】から,大きくは2点です。
①1点目は,教科書では「星野君の二るい打」を「C規則の尊重」で設定してあるのですが,私は「C規則の尊重」と「A善悪の判断,自律,自由と責任」の2つの内容項目で設定しました。この2つを設定することで,単に規則を尊重すればよいで終わらず,星野君の判断の自由についても議論できるようにしました。さらに十分に考え,議論できるよう2時間扱いとしています。(詳しくは指導案・実践編に)
②2点目は「C規則の尊重」を「A善悪の判断,自律,自由と責任」との関係から考えることです。特に今回は,チームみんなで決めた規則について,再考する活動を中心に位置付けました。再考する視点としては,別府監督,星野君,チームメイトにとってお互いに相互承認可能かどうかです。この視点で考え,議論することで,なりたい自分の姿を更新することができるようにします。(詳しくは指導案・実践編に)
さて,ここから【第1時】の様子です。文字起こしをしているとかなりの量になったので,教師の発問と子どもの反応をいくつか載せます。
T 今日はこの3人が振り返りを読んでください。
りゅうくん:(A節度・節制)と関連した自分の経験と,宮本先生の話と学習内容の理解を関連させて振り返っていたこと
りなさん:前回の自分の振り返りと比較して振り返りを書いていたこと
さやかさん:一面的な見方ではなく多面的・多角的に捉えた振り返り
T 3人の振り返りを聞いて今日の学びに活かせそうだなと感じたことを近くの人と話してください。
(近くの人と交流)
T では,一旦そこまでで止めてください。こっち見てもらっていい?これまでの学習で「お客様」では規則をしたよね? C はい。えっまた?
T あと歓迎遠足の前に「遠足の子どもたち」では自由と自分勝手の違いしたのも覚えてる?今日はね〜この2つと関連してくるからね。前で読み聞かせするよ。おいで。
(読み聞かせ)
T 星野君と別府監督のそれぞれどんな印象だった?
C えっサイテー C(ガヤガヤ)
T 近くの人と話してみる? C はい(ガヤガヤ)
(全体の場)
T 星野君から聞いていい?
C 頑張り屋じゃない?(明るくて,素直?)(負けず嫌い)(自分勝手)
T 別府監督は?
C 失敗したのに,そこまで怒らなくても。(かなりの子どもたちが共感)
C そんなみんなの前で言わなくても。
C 星野君の自由を奪わなくもいいじゃん。
C WBCの時の村上宗隆の話をたけし君としたんだけど,あれも判断を任せたから良かったから,今回の別府監督のセリフを村上選手にそのまま言えるのかなって。
C 強いチームは不自由だよ。
C 結果よければ全てよし。
T えっ結果がよければ指示を聞かなくていいの?
C いやいやいや。
C 子どもの例え話(ドラえもん)
C いやでもそれはレベルが違う。この話は集団で決めたきまりでドラえもんの話は犯罪の話だから釣り合わない。
T なるほど,ちょっと聞いていい?監督の言うことをいつも聞かないといけないの?
C いつもではない。場合による。
T 立場をはっきりさせるよ。いつも話を聞かないといけないと思う人?(5人)いつも聞かなくてもいいと思う人!
C いつもではないけどこっちかな?(その他全員)
T では立場が違う人と話してみよっか。
C 監督の話を聞いて強くなってるじゃん。少しは。例えば昔は先生がいないと授業成立しなかったでしょ。でも今はさ。先生がいなくても授業成立するじゃん。それと同じで,監督が練習メニューとかも考えているんだから,聞かないといけないと思う。
T 話したことを教えて。
C やっぱりみんなが決めた規則だけど,監督に都合がいいんじゃない?
C そうだよ。結果が悪かったらどうするんだろう。
というところで不完全燃焼だったようで,「振り返りはまだ書けない」「もうちょっとさせてください」という声が上がったところで終わりました。
次回本時では,最後に子どもたちの声として上がった監督よりの規則について再考する活動をしていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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